インターネットで「葬儀 安い」と検索すると、驚くほど低価格な葬儀プランが数多く表示されます。「火葬式10万円から」「家族葬30万円セット」といった魅力的な言葉に、思わず心が動かされるかもしれません。しかし、その安さの裏には、注意深く確認しないと思わぬ落とし穴が潜んでいる場合があります。最も多いトラブルが、表示されている金額に含まれるサービス内容が極めて限定的で、結果的に高額な「追加費用」が発生するケースです。例えば、最も安いプランには、ご遺体の搬送料金(特に深夜料金や長距離搬送)、安置日数分のドライアイス代や施設利用料、そして公営斎場に支払う火葬料金などが一切含まれておらず、これらがすべて別途請求されることがあります。また、プラン内の棺や骨壷が最も簡素なもので、少しでも見栄えの良いものを選ぶと、差額が次々と加算されていく仕組みになっていることも少なくありません。「お布施別途」という記載を見落として、後から高額な宗教者へのお礼が必要になることもあります。チラシやウェブサイトに記載された「一式費用」という言葉を鵜呑みにせず、そのプランに「何が含まれていて、何が含まれていないのか」を、契約前に一つひとつ、書面で詳細に確認することが絶対に不可欠です。信頼できる葬儀社は、必ず費用の内訳を丁寧に説明し、追加料金が発生する可能性についても正直に伝えてくれます。安さだけで飛びつかず、複数の葬儀社から詳細な見積もりを取り、総額でいくらかかるのかを冷静に比較検討すること。それが、後悔しないための、そして故人のための、最も誠実な選択と言えるでしょう。見積もりを依頼する際は、「この金額以外に、追加で発生する可能性のある費用は、どのようなものがありますか」と、はっきりと質問することが大切です。その際の担当者の対応が、その葬儀社を信頼できるかどうかの重要な判断材料にもなります。
安い葬儀プランに潜む思わぬ落とし穴