あるベテラン葬儀プランナーの一日の記録
朝六時まだ街が動き出す前に携帯電話が鳴り私の長い一日が始まりますが長年この仕事をしていると早朝や深夜の着信にも身体が自然と反応するようになりすぐに着替えて病院へ向かう準備を整えます。ご遺体のお迎えは一刻を争うため迅速さが求められますがご遺族への対応はどこまでも丁寧でなければならず病院に到着すると悲しみに暮れるご家族に静かに挨拶をし寝台車への移動をサポートします。安置場所に到着した後はいよいよ葬儀の打ち合わせに入りますが寝不足であろうご遺族の体調を気遣いながらも日程やプラン宗教者の手配など決めなければならないことは山積みであり限られた時間の中で的確なアドバイスを行いながら一つひとつ決定していきます。午後は翌日の通夜の準備のために式場へ向かい生花の配置や祭壇の設営状況を確認しスタッフへの指示出しを行いますがここでの細かなチェックが式の質を左右するため一切の妥協は許されず名札の誤字脱字がないか清掃が行き届いているかなど目を光らせます。夕方になり通夜が始まると私は会場の隅で全体を見渡し参列者の誘導や焼香の案内がスムーズに行われているかを確認しつつご遺族が困っている様子があればすぐに駆け寄ってフォローを入れるなど常に神経を研ぎ澄ませていなければなりません。通夜ぶるまいの席ではご遺族が少しでも食事を摂れるように配慮し参列者が帰られた後も明日の告別式の最終確認を行いすべての業務が終了して帰宅するのは日付が変わる頃になることも珍しくありません。肉体的にも精神的にもハードな毎日ですがそれでもこの仕事を続けているのはご遺族からの感謝の言葉や故人を無事に送り出せた時の達成感があるからであり明日もまた誰かの人生の最期に関わる責任と誇りを胸に眠りにつきます。