同日納骨お布施を渡すタイミング
葬儀当日に納骨まで行った場合、様々な儀式でお世話になった僧侶へ、いつ、どのようにお布施をお渡しすれば良いのか、そのタイミングに迷う方は少なくありません。スマートで失礼のないお渡し方を知っておくことは、喪主としての重要な作法の一つです。最も一般的で、かつ丁寧なタイミングは「すべての儀式が終了し、僧侶がお帰りになる直前」です。具体的には、葬儀・告別式、火葬、そして墓地での納骨法要までがすべて滞りなく終わり、僧侶が着替えなどを済ませて帰途につこうとされる際に、喪主がご挨拶に伺い、その場でお渡しします。このタイミングであれば、その日一日を通して執り行っていただいたすべての儀式に対する感謝の気持ちを、まとめて伝えることができます。「本日は、朝早くから長時間にわたり、大変お世話になり、誠にありがとうございました。おかげさまで、滞りなく父の納骨まで済ませることができました。心ばかりではございますが、どうぞお納めください」といった御礼の言葉を添え、お渡ししましょう。お布施は、直接手渡しするのではなく、必ず「切手盆」という小さなお盆に乗せるか、もしなければ袱紗(ふくさ)の上に置いて差し出すのが正式なマナーです。お布施を二つの袋に分けた場合は、葬儀のお布施の袋の上に、納骨のお布施の袋を重ねてお渡しします。また、御車代や御膳料を別途用意した場合は、お布施の袋の下に重ねて、同時にお渡しします。もし、葬儀後の会食(お斎)に僧侶が同席される場合は、会食が始まる前の、喪主が挨拶をするタイミングでお渡しすることもあります。地域の慣習やお寺との関係性によっても最適なタイミングは異なるため、もし不安な場合は、事前に葬儀社の担当者に相談しておくと、当日の流れをスムーズに進めることができます。